地図趣味のすすめ

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地図の閲覧

ネットで見る地図だけでは物足りないと感じるようになると、地図趣味が高じてきた証拠です。特に自分が住む地域の地図や昔の地図を見たいとなると、ネットで得られる情報は限られてきます。そういう時に利用したいのが国土地理院と図書館です。

国土地理院

昔の地形図を見たい時には、発行元の国土地理院に行くのが一番確実です。現行の地図に限らず、旧版地図もすべて閲覧できます。国土地理院の情報サービス館(茨城県つくば市)と関東地方測量部(東京都千代田区)では全国の地図が閲覧できますが、その他の地方測量部では、それぞれの管内分の地図だけしか閲覧できません。

九段第2合同庁舎

関東地方測量部の利用の仕方についてご紹介します。関東地方測量部は、東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線の九段下駅から徒歩6分、九段第2合同庁舎の9階にあります。エレベーターに乗って9階で降りると、廊下に「測量成果閲覧所」の看板が出ているのがすぐわかります。事前の申し込みも不要でで、そのまま自由に閲覧室に入って閲覧できます。

5万分の1、2万5千分の1などの古い地図はTIFFイメージで保存されており、パソコンを自分で操作してモニタ上で閲覧します。その他、土地条件図などの主題図についてはモニタ上でも閲覧できますが、これは国土地理院のWebサイトで閲覧できるものと同じなので、わざわざ地方測量部まで出かけていく意味はありません。紙の地図も置いてあるのでそちらを閲覧することをおすすめします。

順番が逆になるようですが、帰る時には「閲覧申込書」を提出します。これには住所、氏名、電話番号のほか、閲覧した地図の地域・枚数や閲覧の目的などを記入する必要があります。閲覧の目的は「土地利用」「調査・研究」「公共測量」などの項目から選ぶようになっていますが、これについては深く考える必要はありません。迷ったら「その他」を選んでおけば問題ないでしょう。

国土地理院本院や各地方測量部の連絡先については旧版地図の閲覧について(国土地理院サイト)を参照してください。
5万分の1、2万5千分の1の過去の地図については2万5千分1地形図,5万分1地形図,20万分1地勢図図歴(国土地理院サイト)で確認できます。

モニタ上では見づらいので地図の写しが欲しいという場合には、「謄本交付」という手続きが必要になります。国土地理院本院か関東地方測量部の窓口で手続きをすることもできますし、オンライン申請や郵送での手続きも可能です。詳しくは旧版地図の謄本交付について(国土地理院サイト)を参照してください。

図書館

国土地理院は遠くて行けないという場合には、図書館で閲覧することをおすすめします。国土地理院の地形図であれば、その地方の地図は過去のものも含めたいてい公立図書館に置いてあります。地図は参考図書室や郷土資料室(館によって名称は異なります)に置いてあることがほとんどです。また図書館だと著作権法の範囲内で地図のコピーもできます。以前は地図は全体の半分までしかコピーできなかったのですが、法改正により、2008年4月から国土地理院(前身の陸軍参謀本部陸地測量部、地理調査所を含む)の地図に限っては地図全体のコピーが可能となりました。
詳しくはこちら 地図の著作権(国立国会図書館サイト)

最近ではどこの図書館もOPAC(オンライン蔵書目録)が整備されているのが普通なので、各図書館の公式サイトから所蔵検索ができます。「図書館に行って探す」というのは時間の無駄です。まずOPACで当たりをつけ、どのような地図が所蔵されているかを事前に確認した上で図書館に行く方が時間が節約できます。
各地の図書館へのリンクはこちら 公共図書館リンク(日本図書館協会サイト)

図書館には、国土地理院の地形図だけでなく、さまざまな地図が所蔵されているのが普通です。図書館が所蔵する地図集の中には、昔の地図を見たい時に重宝するものがあります。
図書館で見たい地図集

地図の所蔵が充実している図書館をご紹介します。

国立国会図書館

国立国会図書館
あらゆる意味で日本の最高峰である図書館です。
本館4階にある地図室(国立国会図書館サイト)では、一枚ものの地図、住宅地図、外国の地図等五十万点近くを閲覧することができます。一枚ものの地図はすべて書庫に所蔵されており、室内にあるOPAC端末で検索して請求すると、カウンターで受け取りができます。柏書房などから出ている地図の集成本、地図に関する参考書、最新の全国の住宅地図、一部の地図帳などは開架で、自由に閲覧ができます。集成本のうち、『江戸-東京市街地図集成』や『伊能大図総覧』など一部の地図については地図を一枚ずつにばらして置いてあるため、コピーの際や複数の地図を見比べる時には便利です。
普通の地図帳は図書扱いで、本館2階図書カウンターで受け取ります。また江戸切絵図は本館3階の古典籍資料室にありますが、ここを利用する際には許可申請が必要です。
国会図書館での地図の調べ方については地図をさがす(国立国会図書館サイト)を参照して下さい。
公式サイト

東京都立中央図書館

東京都立中央図書館
2009年1月のリニューアルで、館内がかなり変わりました。リニューアル前、5階の東京室にあった東京関連の地図は、1階の都市・東京情報コーナーに移りました。過去、現在を含め東京に関するありとあらゆる地図が置いてあります。以前、都立多摩図書館にあった多摩資料の地図もこちらに移管されました。またここでは、江戸明治東京重ね地図も利用できます。

日本・世界の地図帳は、閉架のものを除き、3階の人文科学系資料閲覧室にあります。以前は国土地理院の地形図などの一枚ものの地図がラックに入れて開架で置いてあったのですが、現在ではすべて書庫に入っているので、館内のOPAC端末で所蔵を確認して請求し、1階カウンターで受け取ります。閉架の地図帳についても同じです。また昔の地図の現物だけでなく、復刻大東京三十五区分詳図などの復刻版も所蔵しています。なお大判の地図は、1階総合案内カウンター横の大型地図閲覧席で閲覧することになっています。

東京関係地図目録(都立図書館サイト、2014年3月現在のデータ)
東京以外の地図や最新のデータについては都立図書館OPACで確認して下さい。
公式サイト

江戸東京博物館図書室
見たい地図によっては、普通の公立図書館だけでなく、専門図書館を利用することも考えた方がいいでしょう。博物館の図書室も穴場の一つです。ここは切絵図の復刻版や東京の昔の地図を数多く所蔵しています。江戸東京博物館の付属施設ですが、図書室を利用するだけなら博物館の入館料は不要です。
室内にある端末では、図書などの閲覧資料と収蔵資料の検索ができます。博物館が収蔵している切絵図を検索してパソコンのモニタ上で閲覧することもできますが、残念ながら画像が拡大できないので細かいところまで見ることはできません。また、現物の閲覧もできません。
地図に限らず、さすがに江戸関係の資料は充実しています。利用者が少ないので、東京都立中央図書館よりこちらの方が落ち着いて利用できます。ここは1階のミュージアムショップもおすすめです。古地図の復刻版や「江戸古地図レターセット」などを販売しています。
公式サイト

岐阜県図書館
以前は、県立図書館としては珍しい「世界分布図センター」という地図専門の資料館を併設していたのですが、残念ながら2010年3月で閉鎖となりました。ただ今でも、岐阜県内だけでなく、国内外の地図を幅広く所蔵しています。一部の地図についてはネット上で公開されています。
公式サイト(地図資料)

大阪市立図書館デジタルアーカイブ
大阪市立中央図書館は戦前のものも含め大量の地図を所蔵しており、一部のものはネット上で公開しています。
公式サイト

最終更新日:2014/8/15
公開日:2008/12/4