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カシミール3D

フリーの地図ソフトの定番です。
基本は地図ブラウザですが、3Dの風景CGの作成やGPSログの表示などもできる多機能ソフトです。国土地理院の数値地図など、さまざまな地図データを取り込んで表示させることができます。

地図ソフトとは言っても、純粋に地図を見るためだけにカシミール3Dを使う人は少数派かもしれません。山の風景のCGを作成するというのがこのソフトの主な使われ方のようです。『地形図の読み方・歩き方』などの本では、地形図の等高線を頼りに都心部の地形を読み取る方法が紹介されていますが、当サイトでは、地形を読むのにカシミール3Dによる地図画像を使用しています。

ソフトそのものはVectorや窓の杜で無料でダウンロードできますが、地図データがないと意味がありません。カシミール3Dの解説本には、ソフトと共に各地の地図データと日本全国の標高データが収録されています。また、国土地理院の「ウオッちず」の地図を無料でダウンロードして表示させることもできます。

さらに、国土地理院のサイトから基盤地図情報の標高データを無料でダウンロードして利用することも可能になりました。解説本に付属している標高データは、50mメッシュであまり細かくないのですが、基盤地図情報(標高)のデータはもっと細かい10m・5mメッシュの利用が可能です。10mメッシュは全国のデータが利用できますが、5mメッシュの標高データは利用できる範囲が限られています。また、シェアウェアの「日本高密メッシュ標高データ」を購入して10mメッシュの標高データを利用することもできます。データは日本全国が含まれますが、10m解像度で収録されているのは、山岳部や東京23区など、一部に限られます。

下の画像はカシミール3Dで作成した東京ミッドタウン付近の地図です。解説本付属の1:25000地形図のデータと、標高データを重ね合わせています。標高データが50m・10m・5mメッシュと細かくなるにつれ、描写できる地形も精緻になっていくのがわかります。緑色が標高の高い部分ですが、標高データパレットの設定により、色分けを変化させることができます。これは「ランドサットの色分け」のパレットを使用しています。

50mメッシュ

50mメッシュ

10mメッシュ

10mメッシュ

5mメッシュ

5mメッシュ

カシミール3Dに始めから付属しているパレットは主に山岳用で、標高が低いところを表示するのに向いているものは少ないので、パレットを自作することをおすすめします。「表示」→「パレットの選択」の「標高データパレット」のタブで「新規作成」を選び、「編集」をクリックすると「パレットの設定」ウインドウが開きます。ここで各標高の色を設定しますが、設定値の間の色は自動的に補間されます。標高が低い東京都心部の高低差をうまく表現するには、標高0~4mの部分の色の変化を大きくするのがコツです。

東京

デジタル標高地形図の段彩をイメージして作ったパレットで東京中心部を表示したのが右の画像です。地図は表示せず、5mメッシュの標高データだけを利用しています。標高が高くなるにつれ、青→緑→黄→赤と色を変化させています。標高の設定の下限は0mなので、0m以下の地点はすべて0mの色で表示されています。0m以下も色分けできるようになれば、もっと細かい地形が表示できるのですが、これは今後に期待したいところです。

このパレットの設定はこちらです。設定フォルダのうち、Palフォルダ中の拡張子palのファイルがそれぞれのパレットの設定ファイルです。新しいパレットを作成し、そのファイルの"Level0=……"以降の行をこのファイルの内容と差し替えて下さい。標高は60mまでしか設定していませんが、23区の範囲を表示するにはこれでも十分です。なお、「表示」→「表示の設定」の「地形表現」のタブで、「レリーフ等高線 ○○m」にチェックがついていないか確認する必要があります。これを選択すると、一定の標高の範囲がすべて同じ色で表示されるので、せっかくのパレットの意味がなくなります。

ウオッちずの地図と基盤地図情報の標高データを重ね合わせれば、完全に無料で使うことも可能ですが、見た目があまり美しくありません。地図だけ見たい場合にはウオッちずの地図でも十分ですが、標高データと重ね合わせる場合は、解説本に収録されている地図を使った方が見やすい地図になります。利用したい地域の地図データが付属している解説本を選んで購入するとよいでしょう。

※国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)「東京西部」、数値地図50mメッシュ(標高)、数値地図5mメッシュ(標高)、基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュを使用しました。

基盤地図情報の標高データをダウンロードするには時間がかかり、解凍する手間もあります。面倒だという方は、5mメッシュの標高データのCD-ROMが販売されているので、そちらを利用することもできます。
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数値地図 5mメッシュ 標高 東京都区部
数値地図 5mメッシュ 標高 埼玉東南部
数値地図 5mメッシュ 標高 京都及び大阪

カシミール3D解説本の付属地図
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5万分の1関東甲信越名古屋~沖縄北海道~東北なし東京付近・京阪神関東甲信越関東甲信越
2万5千分の1関東甲信越名古屋~沖縄北海道~東北関東甲信越東京付近・京阪神なし函館~福岡

カシミール3D公式サイト
基盤地図情報サイト(国土地理院)

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最終更新日:2012/7/5
公開日:2008/12/4