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帝国書院の地図帳

帝国書院の地図帳は、二宮書店の地図帳に比べて高地の段彩の色合いが濃いのが特徴でしたが、最近では薄くなり、二宮書店とほぼ同じくらいの色合いになりました。

新詳高等地図

高校教科書用地図帳の定番です。巻頭に地域ごとの一般図(特定の目的を持たない地図)と主題図(特定の事項を記すことを目的とした地図)がまとめてあり、巻末に分野別の世界主題図が掲載されています。

特定の国について深く知りたいというような場合には、この地図のように一般図と主題図がまとめてあったほうがわかりやすいでしょう。主題図がきわめて充実しており、地理の勉強以外でも、国際ニュースを理解する時などに重宝します。例えば、ヨーロッパの民族や言語の分布を示した地図があり、国際紛争の背景を知る時などに役立ちます。また、標高によって色分けされた地図だけでなく、土地利用・植生ごとに色分けした地図もあり、土地の様子を理解しやすくなっています。

今はどの地図でも、地名は現地語発音を優先するという動きが優勢です。マラッカ海峡で有名なマレーシアのマラッカ(英語ではMalacca、マレーシア語ではMelaka)は、以前の『新詳高等地図』では「メラカ」と記載されていたのですが、その後「ムラカ」に訂正されました。マレーシア語の発音に近いのは「ムラカ」なので、ちゃんと見直しがなされていることがうかがえます。

標準高等地図

「地図でよむ現代社会」という副題の通り、公民科の授業で利用することも想定して編集されています。前半は普通の地図ですが、一般図が中心で、地域別・国別の主題図はごくわずかです。各地図ごとに、政経・環境・社会・地理・歴史の分野別にキーワードとなる地名がピックアップされて解説が加えられているのが目に付きます。

後半には、見開きで一つのテーマについて、環境、経済、社会、国際、日本に関する資料図がまとめられています。特に後半については、地図帳というより教科書の印象が強く、地図趣味的にはあまり面白い地図帳とは言えません。

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最終更新日:2015/7/6
公開日:2008/12/4