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二宮書店の地図帳

二宮書店の地図帳は、帝国書院の地図帳よりも高地の段彩の色合いが薄いのが特徴でしたが、最近では帝国書院の色合いが薄くなり、両者ともに同じくらいの色合いになりました。国名(日本地図では県名)は白い縁に赤字で記されていて非常に目立ち、読み取りやすくなっています。
また日本地図については、標高が細かく色分けしてあります。帝国書院の地図帳では海抜0mから100mは同じ色で塗られていますが、二宮書店の地図帳では0~50m、50~100mで色分けされています。そのため、一見したところでは帝国書院のほうが平野が広く見えます。また、中国地方の地図には竹島も載っています。

高等地図帳

B5版で、巻頭に一般図(特定の目的を持たない地図)、巻末に分野別の主題図(特定の事項を記すことを目的とした地図)という構成になっており、国ごとの主題図もすべて巻末にまとめてあります。一般図が88ページ、主題図が28ページで、一般図に重点を置いています。地名などを確認する程度の用途であれば、主題図はそれほど必要ないので、この方が見やすいでしょう。二宮書店の地図帳の中では定番といえます。

日本地図の地方図は北海道を除いて各地方で縮尺が統一されており、距離や大きさの比較が容易です。なお中国・四国地方の地図では、足摺岬付近が一枚の地図に入りきらず、別の地図になっています。他の地図帳は、地方全体がページに収まるように縮尺を調整しているものがほとんどですが、この地図帳では前記の通り他の地方図と縮尺を同一にしているため、B5版の地図帳だとどうしても足摺岬付近がはみ出てしまうようです。

基本地図帳

巻頭に一般図と地域ごとの主題図、巻末に分野別の世界主題図という構成です。A4版と、版が大きい分縮尺も大きくなっており、文字も大きいので見やすい地図になっています。都市の詳細図が多く、国旗が載っているのも便利です。また世界地図には各地の写真も掲載されています。「ヨーロッパのプロサッカーリーグ」「アメリカのメジャーリーグ」などという地図もあり、二宮書店の地図帳の中では一番一般受けする内容です。ただし統計は『高等地図帳』より少なくなっています。
2013年版から、東京の微細地形の地図(縮尺1:50000)が新しく登場したのは歓迎できます。都市の地形への関心が高まっていることを反映したものでしょうか。

現代地図帳

AB判(縦がB5、横がA4と同じサイズ)で、巻頭に一般図と地域ごとの主題図、巻末に分野別の世界主題図という構成です。一般図が74ページに対して主題図が58ページと、主題図にかなり重点を置いているのが特徴です。紙面に余裕がある分、広い範囲が一つの地図に収録されています。北極を中心にした「ユーラシア・アメリカ」という地図もあり、冷戦時代のアメリカは、ソ連と北極海を挟んで対峙していたことがよくわかります。日本地図の地方図は北海道を除いて各地方で縮尺が統一されており、距離や大きさの比較が容易です。
一般図と主題図が組み合わされたページが多く、見比べるといろいろな発見ができます。マニア向けと言える内容で、じっくり読むにはこの地図帳がおすすめです。

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最終更新日:2015/7/6
公開日:2008/12/4