地図趣味のすすめ

地図趣味のすすめtop >地図帳・地図本の紹介 >歴史地図

歴史地図

地図で訪ねる歴史の舞台 日本

歴史上の出来事を地図の上で知るというコンセプトの本です。
基本的には南から北まで各地方ごとに地図がまとめられています。各時代の事項を含む地方の基本図のほか、特定の時代を取り上げた地図と特定の地域・都市の地図が組み合わされています。
たとえば近畿地方の部では、近畿全体の基本図以外に、古代の都の移り変わりの図、大阪・飛鳥・奈良・京都の都市図、琵琶湖周辺の地図などがあります。大阪や京都の地図は各時代を横断したものですが、飛鳥の地図は飛鳥時代、奈良の地図は奈良時代の事物が中心となっています。また琵琶湖周辺の地図は交通を主なテーマとしたものです。そのほか大坂冬の陣・夏の陣の戦況図といったマニアックな地図もあります。

地図以外にも、坂本龍馬や聖徳太子などの人物のほか、新撰組・忠臣蔵を取り上げた読み物のコーナーもあります。もちろん単なる読み物ではなく、たとえば豊臣秀吉のコラムでは小田原城包囲戦の図があり、ちゃんと地図と結びつけた構成になっています。新撰組に関する地図では、池田屋と壬生の屯所の位置関係など、普通の地図ではあまり意識されないような点も知ることができます。

吉川弘文館の『標準日本史地図』のような学習用の地図とは違い、読み物としても十分楽しめます。「いつ何が起こったか」を知るだけでは単なる丸暗記になりますが、「どこで起こったか」を頭に入れておくと歴史と地理を結びつけて理解することができるようになります。
『旅に出たくなる地図』もいいのですが、歴史好きにとってはこの地図の方が「旅に出たくなる」かもしれません。

地図帳・地図本の紹介に戻る

最終更新日:2010/8/1
公開日:2009/2/1